英検1級/英検準1級 体験記

2012年に英検準1級と英検1級を受験した息子が,英語にふれてきたお子さんへの

アドバイスとして書かせていただいた文章を掲載いたします。

現在、英検の試験内容が変更がありますがそちらをご確認の上、参考にしてください。


●幼児期から英語にふれていて,英検2級に合格されたお子さん向けのものなので,

リスニング問題や長文問題の対策にはふれていません。

●時間配分は,息子が自分で目安にしたものです。


英検準1級のアドバイス

(99点中69点前後で合格)制限時間90分

■全体のアドバイス

英検準1級は合格ラインが99点中7割になります。

2級の合格ラインは75点中6割だったので、

厳しくなります。また、準1級から問題文が英語表記になり内容も高校英語の範囲を

超えるので難しそうだなと思っている人が多いと思います。

実際に、準1級は2級までに比べてレベルが急に高くなるのですが、

皆さんが準1級の問題を見て難しいと感じるとすれば、

準1級の語彙に慣れていないからかもしれません。

過去問を解いてみると分かるのですが,長文そのものは2級までと同様,

平易に書かれてあります。

なので,語彙対策をして,過去問演習をすれば,準1級もクリアできる可能性は大きいです。

では,準1級の1次試験を,大問別にお話します。

■大問1;語彙問題 (25問×1点)(25点満点)

短文の空欄に合う単語や熟語を選択する形式で,25問,出題されます。

配点面から見ても全体の4分の1を占めるので,得点源として無視できにくくなります。

準1級には,どんな語彙が出るのか,少し書き出してみます。

expire (期限が切れる) insane (正気でない)

evaporate (蒸発する) accumulate (蓄積する)

courteous (礼儀正しい) leftover (残り物)

intact (無傷の)  exempt (免除する)

reckless (無謀な)    incompatible (相容れない)


以上は,準1級でよく見かける単語です。これらをどの程度までチェックするべきか

迷うところですが,僕の場合は,英検受験を利用して英語力を上げたいと思っていたので、

「英検準1級語彙・イディオム問題500 (旺文社英検書) 」(旺文社)の全体に

目を通しました。問題は,4択で出題されるので,正解が分からなくても

残りの単語の意味が分かれば,消去法が使えます。

大問1の時間配分(15分)

本番で分からない単語は考えても仕方ないので,先に進めます。

■大問2(長文問題2題。各250語)(6点満点)

■大問3(長文問題3題。語数は順番に,300語,400語,500語)(20点満点)

大問2と3で,長文問題が合計5題出題されます。文中には,

大問1の語彙問題に出てもおかしくないような難単語も使われます。

(例: comradeship, signify, mainstream)

「長文問題で知らない単語が出てきても,推測法でなんとかなるじゃん」

と言う人もいますが,大問3で,長文問題3題,300語,400語,500語の際に,

未知の単語が多いと気持ちが萎えてしまうので,

できるだけ語彙対策はしておきたいところです。

ちなみに,一般の英語の長文問題で分からない単語があっても乗り切れるのは

100語につき3語まで、と言われています。

大問2の時間配分(15分)

大問3の時間配分(35分)

■大問4(14点満点)

自由英作文です。Eメールが届いたという設定で,返信文を作成します。

3つの質問が書かれてあるので,それに対して100語前後で答えます。

僕の方法ですが,英作のコツは,それぞれの質問に対して,

自分の意見→その理由→自分の意見→その理由→自分の意見→その理由

と,各2センテンス程度で回答することです。(意見の後には,その根拠を示すことが必要)

これで,だいたい100語程度になります。

100語に指定されている場合,語数の理想は,90語から110語です。

大問4の時間配分(25分)

■大問5(34点満点)

リスニング問題ですが,これに関しては語彙は易しいといえます。

英検2級レベルの語彙が使用されるので必要な点数は取れると思います。

ただし,準1級からイギリス英語も用いられるので,慣れていない人は耳慣らしを。

以上が,英検準1級の一次試験です。語彙のことを重点的に書きましたが、

語彙の補強と併せて,過去問演習は,絶対に必要です。

(市販の模擬試験は再現率が低いものが多いためお勧めしません。

旺文社の過去問が理想)

過去問をやることで、試験の型に慣れて時間内に解答できるようになります。

語彙が増え、過去問を繰り返していくと、

最初は難しく感じた準1級もだんだん易しくみえてきます。


★お勧め参考書

●英検準1級 でる順パス単 (旺文社英検書)

●英検準1級語彙・イディオム問題500 (旺文社英検書) (2周目)

●2013年度版英検準1級過去6回全問題集 (旺文社英検書) (大問1毎日)

●2013年度版英検準1級過去6回全問題集CD (旺文社英検書)  アメリカ英語のみ

準1級の語彙強化には,英検準1級語彙イディオム500(旺文社),

または,ジャパンタイムズのものも使えます。出る順で最短合格! 英検準1級 単熟語[第2版](CD3枚付き)


英検1級のアドバイス 

いよいよ1級です。

合格ラインは,113点中約7割,おおよそ80点前後です。(制限時間100分)

2級と1級の間にも壁があると言われていますが,準1級と1級の間にも壁があるといえます。

英検1級が,準1級に比べてどのように難しいかというと

1)語彙レベルが高い

英検2級は5100語レベル,英検準1級は7500語レベルに対し,

英検1級は10000~15000語レベルの単語が出題されます。

必然的にマニアックな単語や専門的な単語も多いです。

例)incarnation 肉体を持つこと  placebo 偽薬  bravado 空威張り

大問1の語彙問題以外にも,リスニング問題や長文問題で,termite 白蟻 cortex 大脳皮質 insomnia 不眠症 surveillance 監視,といった単語が出題されました。

2)時間制約が厳しい

英検準1級では

・小問25問 

・長文5本 計1700語 

・自由英作文100語  を90分で処理することが要求されます。

これだけでも,時間配分を気にしながら進めないといけないのですが,

英検1級になると,

・小問25問

・長文5本 計2500語

・自由英作文200語 を100分でこなさなければいけません。

長文800語分,自由英作100語分増えたのに,時間が10分しか増えていませんから,

1級では,高度な英文を速く処理する力が求められているのが分かります。

こんなことばかり書くと,「英検1級は,取れる気がしない」と思われそうですが,

あきらめる必要はないです。

僕が,英検準1級と1級を受験して分かったことですが,準1級受験のために単語を覚えたり過去問を解いてみたことで,堅そうな洋書も読んでみようと思えるようになりました。

英検を受けながら,英語の力がついた気がします。

英検1級の受験前には,かなり単語を覚えたので,The Japan Times(英字新聞)を

読みながら,記事の中のスペルミスを見つけることもありました。

英検準1級同様,英検1級でも,キーになるのは,語彙力強化と徹底的な過去問演習 だと思います。

お勧め参考書

●英検1級語彙・イディオム問題500 (英検分野別ターゲット)

●2013年度版英検1級過去6回全問題集 (旺文社英検書)

●2013年度版英検1級過去6回全問題集CD (旺文社英検書)

●出る順で最短合格! 英検1級 単熟語[第2版]

1級の1次試験の内容を,大問別にお話します。

大問1(語彙問題 25問×1点)

レベルが高い語彙が出題されますが,英字新聞では使用される語彙です。(15分で通過)

大問2

(長文問題2題 各350語 6問×1点)

空所補充。単語を入れる場合もあり。10分で通過

大問3

長文(長文問題3題。順番に,500語,500語,800語 10問×2点)45分で通過

※大問1から3までで,この時間配分でいくと,自由英作文で30分使えます。

(全体は100分)

大問4 自由英作文(エッセイ)です。(30分で通過 28点)

200語に指定されている場合,語数の理想は180語から230語です。260語は書きすぎ。

テーマが出題されるので,

自分の意見→その理由,さらに自分の意見→その理由,

反論意見→それに対する自分の見解で,

自分の主張を強めます。

自分の意見は,当たり前すぎることは避けます。その理由が甘いものになるからです。

また,難しい語彙を使ったほうが得点が高くなる傾向があります。

ただし,無理して使って失点しそうな場合は避けます。


大問5 リスニング

Part1 10問×1点。 Part2 10問×1点。 Part3 5問×2点。Part4 2問×2点です。

リスニングだけで計34点。

英検1級は音声が聞こえるほうがいいので,真ん前を取りましょう。

*得点目標は,大問2と3で8割,リスニングで9割を目指し,大問1の語彙問題と自由英作文で出来る限り得点します。

英検1級も,単語力をつけ,繰り返し過去問にあたることで可能性が

みえてくると思います。

以上

※2013年12月時のものです。英検の試験内容はご確認ください。


*英検の記録

息子は,中学生になって,団体受験で英検を受けるようになりました。

中1で4級,中2で3級と受験し,中学3年生の10月の英検で準2級を受験後,

急にエンジンがかかったかのように,個人受験で2級,準1級と受験し,

ちょうど1年後の高校1年の10月の英検で,英検1級に合格することができました。

1級の1次試験も,リスニング,長文読解,英文エッセイがとれていたので,

全体の9割得点できていました。

息子は、英語を日本語と同じ感覚で聞いたり読んだりできるからだと思うと話しています。

英語子育てサイトR-Train

2000年4月11日の開設後、22年目に入りました。 英語だけでなく、家庭学習、受験、大学生活まで話題も増えましたが、 子育てのコミュニティの場を長く運営させて頂けていることから、 気になる情報を書き留めています。